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リチウムイオン電池(LIB)とは? 本来の価値は?

リチウムイオン電池について
ENAXが考えるリチウムイオン電池、本来の価値

リチウムイオン電池について

1. リチウムイオン電池の位置づけ

「化学電池」の中で、充電・放電を繰り返すことで、繰り返し使用できるものは「二次電池」に分類されます。このうち、現在市場で主流を占めているのは、鉛蓄電池、ニッケル水素(Ni-MH)電池、リチウムイオン電池の3種になります。
鉛蓄電池は1859年にGaston Plantéによって発明され、長期間にわたって幅広く使われてきました。ニッケル水素電池は1990年頃から一般民生用途に発売され始め、カドミウムの有毒性が問題となったニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池の代替として普及してきました。
リチウムイオン電池は1979年のJohn Goodenoughによるコバルト酸化物へのリチウムイオンのIntercalation(挿入離脱)現象の発見や、1970年代のグラファイトへのリチウムイオンのIntercalation現象の発見に端を発し、1991年に最初の商用セルが発売。以来、現在に至るまで様々な用途に拡大しています。
電池の分類
電池の分類

2. 他の蓄エネルギーシステムとの比較

右の図は電池のエネルギー密度(1kgあたりどの位のエネルギーを蓄えられるのか)と、パワー出力密度(1kgあたりどの位の出力を出せるのか)を比較したものです。(ラゴーニプロット)
この図からリチウムイオン電池は、他の電池やキャパシターなどと比較して、同じ重さであればより大きいエネルギーを貯めることが出来、かつ、よりパワーを出すことできることが分かります。また、内燃エンジン(IC Engine)や燃料電池(Fuel Cell)と比較すると、エネルギー密度では劣りますが、重さあたりでこれらを上回るパワーを出すことができます。
リチウムイオン電池のエネルギー密度は、生産工程の改善により、次々に容量を増大。十数年間で2.5倍に増加しています。今後は新材料開発・工程開発によって更なるエネルギーの高密度化が図られ、容量はさらに増加して行くと考えられています。
ラゴーニプロット
ラゴーニプロット
リチウムイオン電池容量の推移と負極材の変遷
リチウムイオン電池容量の推移と負極材の変遷

3. 蓄電システム、ソリューションとしての課題

リチウムイオン電池は、電池単体では電圧4V程度、容量1〜200A程度であり、貯蔵/出力できるエネルギーが限られています。そのため、複数の電池をまとめ、コントロールする仕組みが必要となります。このような電池の組み合わせを電池モジュール、電池パック、組電池などと呼び、電池の制御システムをバッテリーマネジメントシステム/ユニット(BMS/BMU)と呼びます。
BMS/BMUも含めた蓄電システムを開発するためには、電池の固有知識だけでなく、対応する応用範囲や周辺技術についての幅広い知識も必要となります。しかし、アプリケーションが多様化・複雑化した現代では、これらを単独で提供するのは困難です。そこで求められるのが、得意分野を持った様々なエンジニア/スペシャリストが複合的に共働し、最適な機能を果たすことです。今後応用分野が広まるにつれ、そうした水平分業型のビジネスはますます重要になり、ビジネスモデル構築は最重要な課題となっています。

4. 厳しい安全基準を制定

人々の暮らしを支えるためのエネルギーを蓄える電池には、高い安全性が求められています。日本においても電池の安全規格が定められており、リチウムイオン電池もこの基準をクリアする必要があります。衝突、落下、電池内部での短絡現象や、電池を誤って短絡接続した際などにも安全が保証されている必要があります。
今後リチウムイオン電池が様々なシーンで活用されるようになると、それに応じた安全基準も同様に展開されていく必要があります。現時点で、リチウムイオン電池は厳しい基準をクリアした製品であり、非常に安全な蓄エネルギーシステムといえますが、エネルギー基盤を支える当該システムは、どのようなシーンで利用されても常に安全が担保されるよう、今後も弛まぬ努力を続けていく必要があります。

5. 蓄電システムの運用と電池のリサイクル

充電・放電を繰り返す二次電池においても、性能は徐々に低下していき、ある一定のサイクルを超えると使用できなくなります。現在のリチウムイオン電池の寿命は、材料選択や使用条件によっても異なりますが、数百〜数千サイクルと言われています。そのため、リチウムイオン電池による蓄電システムを継続的・安定的に利用していくためには、電池の状況をモニタリングし、最適なタイミングでリフレッシュする必要があります。リチウムイオン電池による蓄電システムを長期に利用していくためには、今後このような保守モデルの構築を急ぐ必要があります。
また、資源有効活用や環境配慮の観点からリチウムイオン電池のリサイクルモデルの構築も不可欠な要素です。リニューアブルエナジーの活用に欠かせないリチウムイオン電池は地球環境対策にも大きく貢献すると言われております。そのような中、リチウムイオン電池の“本当の普及”に向けては、リサイクルモデルの構築も必要条件の1つであるといえます。
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ENAXが考えるリチウムイオン電池、本来の価値

1. 外燃機関・内燃機関に対し、電気が持つ本質的な優位性

1970〜80年代以降、半導体技術の飛躍的な発展により、機械式スイッチを用いることなく、半導体によって「大きな」電力を「高速に」ON/OFF(開閉)することができるようになりました。このことにより、低コストで高効率、大規模な「電力変換」が可能になりました。
電力変換とは、交流を直流に変えたり、電圧を変換したり、周波数を変換するなど、電力の「カタチ」を変える技術のことです。
この電力変換により、周波数・電圧を変換した交流波形を作ることが出来るようになり、「交流モーター」を制御することが非常に容易になってきました。
「交流モーター」はその構造から、それまでの「直流モーター」と比較して部品点数が少なく、何よりも「ブラシ」と呼ばれる摩耗しやすい稼働接点部品がなくなったことにより、モーターのメンテナンスに係る手間と費用、交換頻度が飛躍的に減少しました。
この恩恵を最も強く受けたアプリケーションの一つが鉄道であると言われています。もともと都市部では直流による電源システム(架線)が普及していたことから、「インバーター」+「交流モーター」の電車は、それまでの直流電車を急速に置き換えて行きました。
また、電力変換は電力を「使う」だけでなく「戻す」ことも可能になり、ブレーキをかけた時のエネルギーを電気として回収し、再利用することで効率は更に向上しました。
同時に電化区間も逐次拡大し、今日では都市部で旅客用途の蒸気鉄道やディーゼル鉄道を見ることは稀になってきました。
蒸気鉄道やディーゼル鉄道に対して、路線電化のコストを払ってまでも電気鉄道がこれほど普及した理由は、モーターの外燃機関・内燃機関に対する本質的な優位性によるものと考えられます。それらを列記すると下記のようになります。
  • ゼロエミッションであること
  • ローメンテナンスであること
  • 軽量であること
  • 総合効率に優れること
一方、自動車を始めとするその他の移動体では、優れた電気動力を用いたくても用いることが出来ないネックが存在していました。
内燃から電気エネルギーへのイノベーション
内燃から電気エネルギーへのイノベーション

2. 「電気エネルギーの可搬性」の問題を解決

自動車を始めとする移動体にとってのネックは、「電気エネルギーの可搬性」の問題です。架線という給電システムに依存できない自動車は、電気エネルギーを持ち運ぶことができないが故に、過去の自動車の電動化へのチャレンジは失敗に終わってきました。
こうした状況を変えていったのが、「リチウムイオン電池」です。1990年前後に、それまでに発見されていた特定の物質の中にリチウムイオンが出入りする現象(インターカレーション)の産業への応用にめどが付いたことにより、それまでの電池には無い軽量さ(エネルギー密度)をもって、リチウムイオン電池が登場しました。
このインパクトは大きく、まずは家電品や携帯電話、PCなど、それまでニッケル水素電池を用いていたアプリケーションが一気にリチウムイオン電池へと移行し、身の回りの電気機器が一気に増加しました。
そして、自動車を始めとする他の移動体にも、電池が用いられるようになりました。当初はニッケル水素電池で開発されていたハイブリッド自動車も、現在ではリチウムイオン電池化の開発が推進されています。
ハイブリッド化を経て電気動力化へ
ハイブリッド化を経て電気動力化へ

3. アプリケーションとの統合(インテグレート)

これまでの電池とは異なる特性を持ち、時代の要請とパワー密度の高さから大電力・ハイパワー用途に用いられるリチウムイオン電池を使いこなすためには、技術的知識や安全管理への知識が必要とされます。
そして、商品化するに当たって市場に存在する多種多様なリチウムイオン電池や、それを管理するバッテリーマネジメントシステム(BMS)を適切に選択し、アプリケーションと統合(インテグレート)するにはリチウムイオン電池についての最新の知識と経験が必要です。
そのような機能を全てのアプリケーションメーカーが持つことは難しく、このことが「ポータブル電力」を持つ「高効率・低保守・低騒音・ゼロ排気」の移動型電動アプリケーションの開発・普及へのネックとなっています。
アプリケーションに対して知識と経験と、そして優れた製品を持つメーカーと、電池に対する深い知見をもつシステムインテグレーターが協同すれば、様々な分野で動力のイノベーションを起こすことができると我々は考えています。それは、例えば軽量なリチウムイオン電池を搭載したPCやスマートフォンが我々の生活を変えたように、ゼロエミッション動力が我々の生活をより便利で快適で、再生可能なものにする可能性を秘めていると言うことです。
「高効率・低保守・低騒音・ゼロ排気」で社会に貢献できるアプリケーションは、必ず強い商品力にも繋がると我々は考えています。
ENAXの目指すインテグレーション
ENAXの目指すインテグレーション
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